|
津久井街道を相模湖方面に向かい、三ヶ木交差点を左折。少し進むと右手に山羊の絵の看板が見える。脇の細い道を入ると緑豊かな広い庭が広がり、その中心に若草物語に出てくる様な外観の家が建つ。そこがピッツァ専門店『ドリームファーム』。パン職人だったオーナーが「遊び心も満足出来るような空間でおいしいピザを食べてもらいたい」と考え、17年前にお洒落なピザレストランとしてオープンさせた。
元々ここは、オーナー(梅沢 勉さん)にとっては小さい頃から慣れ親しんだ祖父母の家でもある。楽しかった幼い日の記憶を大切にするオーナーの遊び心が、店の中や庭の至るところに見え隠れする。
ドリームファームは、イタリアから取り寄せた薪焼き窯(オーブン)で焼く香ばしくて軽い食感のピッツァが大人気。今でこそ定着したナポリタイプの軽いピッツァにオーナーが出会ったのは、兄弟店のヒッコリーファームオーナーと本場イタリアへ料理の勉強に行った15年程前の事だった。
「ショックでしたよ。自分の作っていたアメリカンタイプのピザとは違い、本場イタリアのはアッサリとしているのに、野菜やチーズの味がとてもストレートに出ていたんです。何よりパリッとした食感が新鮮で、忘れられない味でした」
軽い食感には秘密があった。ピッツァ職人が生地をフライングで均一に薄くのばし、薪焼き窯で1〜2分という短時間で焼き上げるので、表面はパリッと、中味はジューシーという仕上がりになるのだ。これを勉強して、是非自分たちの店で出したいと強く願った。
帰国後、再びイタリアへ向かった。ピッツァ生地のフライングをマスターし、日本に初めて持ち帰った。技術だけでなく、ミラノから薪焼きのオーブンも取り寄せた。本場イタリアの食感を再現できるよう、一年間、火力、薪木の種類、生地の配合などを繰り返し研究を行った。そのピッツァは今ではアメリカンタイプよりもオーダーが多いほどの好評を得ている。
ピッツァの他、アラカルトメニューやデザートも美味。フランスの伝統ある『ル・コルドンブルー料理学校』を卒業し、パリの本校などでアシスタントをしていたという長男(智さん)のオリジナル料理も是非、堪能したい。お得なランチメニューに続きディナーコース1500円〜も始めるそうなので楽しみだ。ジャズなどのコンサートや店内をギャラリーにした絵画などの展示も年間を通して開催している。
また、美しい庭でガーデンウェディングをするカップルも多い。予算、コンセプト、飾り付けなど様々なオリジナルウエディングをサポートしてくれる。料理も一流ホテルに負けないものを提供しているので、青空の下、太陽に明るい未来を誓うのも想い出になる。
「食事をするだけでなく、各店(相模原と橋本に姉妹店モッチョーゾがある)の空間を色々な企画で利用して欲しい。遊びの楽しさも分かち合いたいんですよ。どんな仕事もそうですけど、いやいやではロクな結果が出ない。やはり自分達も楽しんでないとね」と語るオーナー。「そればかりでも、困るんですけどね」と優しく微笑む奥様に、ドリームファームの豊かな発想の源があった。
|