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せいろ(石臼挽きの蕎麦粉100%)800円。

にしんそば 1,500円。一週間かけて炊き込んだ身欠きニシンは絶品。
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城山町原宿の閑静な住宅街に溶け込んだように佇む、手打ち蕎麦の店「蕎竹庵すぎはら」。この店は、長年両親が営んでいた蕎麦屋「大むら」の道路拡張による移転を機に、長男、杉原達也さんが石臼挽きの手打ち蕎麦屋としてはじめた店だ。
杉原さんが修行した、千葉県柏市にある『竹や』は消滅寸前の石臼挽き自家製粉を復活させた店で、繊細微妙な蕎麦の逸品を出す店として有名だ。
厳しい師匠のもと石臼挽き、蕎麦打ち、つゆづくりをたたき込まれた杉原さんは新装開店に伴い、本物の蕎麦をゆっくりと味わえる店にしたいと考えた。
内装や丁度品にも心を配り、木の温もりを生かした和モダンの雰囲気をさりげなく演出。冬は夕方になると暖炉が赤々と燃え、電球色の灯りが白い土壁に映えて美しい。木々が配された庭もライトアップされて昼とは違う幻想的な雰囲気になる。腰を据えてうまい酒をゆっくり酌み交わし、心地よくなったところでせいろをいだだく、そんな贅沢を味わえる本格的な蕎麦屋だ。
テーブル席のほか、個室、上がりがまち付の純和室(予約制・大人のみ・席料10%)があり会食などにも利用できる。
「蕎竹庵すぎはら」の蕎麦づくりは、玄蕎麦(蕎麦の実)に付着している泥やゴミを取り除く作業からはじまり、いくつかの工程を経て石臼で丁寧に挽いた粉をふるい、時間をかけて手で打ちやっと出来上がる。
香り立つという言葉がぴったりの極上のつゆは、厳選した素材を使い丹念につくられる。ぜひ、せいろを注文して、究極の蕎麦とつゆそのものを味わってもらいたい。
暖かいお蕎麦をという方におすすめなのが、「にしんそば」。一週間かけて炊き込んだ身欠きニシンは、甘辛い味とふんわりした食感があつあつのおそばによく合う。また、ここの天ぷらは文字通り揚げたてで、パチパチ音をたてながら出てくる。外はパリッと中はぷりぷりの海老がジューシーで美味。蕎麦の茹で上がりと天ぷらの揚がりが同時になる様に考えて調理をするそうだが、かなりの集中力が必要だ。
「一人で料理しているので、お待たせしてしまうこともあるのですが、最高の状態で、食べていただきたいので、妥協ができないんです」
「蕎竹庵すぎはら」ではうどんも手打ちだ。細めのうどんに辛み大根と田舎醤油をからめていただく「おろしうどん」は、手打ちならではの喉ごしのよさを堪能できる逸品。日本酒党にたまらないのが「やきみそ」。粒入りの粗い白味噌に大葉、ゆず、蕎麦の実、ねぎ、海老の頭を揚げたもの練って、石の上にのせて焼いたものだ。少し焦げた味噌がなんとも香ばしくておいしい。
石臼挽きだからよりおいしいのが「蕎麦がき」。蕎麦粉を練って食べる蕎麦の原型といわれているものでぼそぼそとした印象があるが、この店の「蕎麦がきは」は、つきたてのお餅のような食感で醤油に盛り汁を割ったものをつけていただく。一度食べるとファンになる人が多いそうだ。
「毎日、同じように玄蕎麦を挽き、蕎麦を打っているつもりでも、その日の天候などによって味が微妙に違うんです。毎日が修行ですね。特にこうあるべき、というものはまだ持っていませんが、おいしい蕎麦を食べていただく。それがうちのこだわりです」。
橋本駅から車で10分ほどの所と思えないほどひっそりとした空間の「蕎竹庵すぎはら」。昼は友人同士での会食、夜はごく親しい人とゆったりと酒や蕎麦に舌鼓を打つのにぜひ、訪れたい。そんな大人のための数少ない隠れ家的な店だ。
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