|




『揚げ餅納豆おろしのぶっかけご膳』1500円。

菜彩鶏の『鶏の返し焼き』750円。皮がパリッと中はジューシー。甘さ控えめのタレがよく合う。
|
|
相模原駅南口から徒歩4分。表通りから少し入った閑静なマンションの一角に、大きな一枚板の扉が印象的な、まるで隠れ家のような趣の店がある。手打ち蕎麦と地酒、手作り料理を饗する『志趣饗粋
蕎麦 鷲ひら』だ。夜になると表にぼつんと行灯が灯り、店へと誘ってくれる。
「昨年の9月に開店しましたが、ひっそりとのれんを出しただけで宣伝はしなかったので、ほとんど気が付いてもらえませんでした(笑)。お客さんに『もう少し目立つようにしたら…』と言われ、後から献立板を外に置いたんですけど…」と呑気に話す、店主の鷲平さん。
鷲平さんはサラリーマン時代、八王子のとある蕎麦屋に入り、こんな旨い蕎麦があるのかと感動し、休みを返上してその店に通い詰め、修行をさせてもらったという。数年すると、親方の留守中に店を任される程の腕前になった。さらに蕎麦の奥深さに魅せられた鷲平さんは仕事の合間を縫っては、うまいといわれる蕎麦屋を食べ歩く。
ある日、趣があり、お洒落な蕎麦屋を見つけ、こんな店を自分でも開いてみたいと思うようになった。その店を設計した蕎麦屋専門のデザイナーとの連携で、蕎麦と店にこだわりを持ち、趣のある空間で粋なもてなしをする店『志趣饗粋
蕎麦 鷲ひら』のコンセプトが決まっていった。
蕎麦だけでなく、地酒や料理をくつろいだ雰囲気で味わえる店を作りたいと考えた鷲平さんは会社を早期退職し、大田区にある『ひさ菜』さんに頼み込んで料理の修業をする。接客業が初めての奥さんも女将としての修行に通い、開店を迎えた。
毎朝打たれる石臼挽き手打ちの蕎麦は喉ごしがよく、枕崎から取り寄せた一本釣り本鰹を惜しげなく使った汁は、出汁がよくきいている。うどんも手打ちで、淡口の汁。これも蕎麦に負けず、ファンが多いという。
昼の献立には、石挽き自家製粉の蕎麦に、手作り味噌のなすの田楽、バニラアイスの付いたご膳メニュー(1350円〜)も数種ある。バニラアイスは黒糖焼酎をかけて頂くのだが、これが何故か不思議に思うほどおいしくてお薦め。その他、そば白玉ぜんざいなど甘味も充実している。
和風創作料理は注文を受けてから丁寧に作られる。料理を一番おいしい状態で食べてもらおうと、つくり置きはしない。多少時間がかかるが、軽いジャズが流れる中、癒しの雰囲気に包まれて料理を待つのも心地よい。
地酒や焼酎も全国の旨い酒を常に探し回り、店に並べている。
くつろぎの空間で味わう蕎麦と料理。そして旨い酒。『蕎麦 鷲ひら』は、肩ひじの張らない鷲平夫妻の穏やかな人柄が反映され、心から安らげる数少ない店だ。
価格は取材当時のもので、変更される場合があります。
|