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町田街道沿い、常盤交差点のほど近くに、さび御影石の塀で囲まれた瓦と白壁のコントラストが美しい館が完成した。この風情ある館は、北海道より直送する蟹と旬の料理の店「日本料理 さ蔵」で、先月24日にオープンしたばかりだ。
玄関に続く石畳には露地行灯が置かれ、夜は一層趣が深くなる。ロビーに入ると大きな屏風絵や身の丈ほどもある生け花に迎えられる。部屋ごとに置かれている逸品の焼き物や掛け軸、回廊で囲まれた中庭や天井に配された太い無垢木の梁など、遊び心と美意識の融合された空間がさりげなく演出されている。この館の設計が、有名なミュージアムなどを多く手がけて来た匠と聞き、美術館のような雰囲気に納得がいく。
「さ蔵」のメイン料理、活蟹は絶妙なタイミングで茹で上げられ、ほのかな甘みと香ばしさがあり絶品。その他、ぼたん海老や活きかんぱちなどのお造りも鮮度抜群。それらの厳選された旬の食材に、北海道「いちふじ」で修行した板長が大胆かつ繊細な腕をふるう。特にたらば蟹は、北海道でもなかなか手に入らない3キロ以上のものしか扱わない。確かに、大きな蟹足は身がぎっしりと詰まり食べ応えがある。
「北海道でもこの値段で、この蟹は食べられません。あり得ないという方が正しいです」。板長の語意の強さに味への自信が伺える。
北海道料理らしく豪快に盛られるたらば蟹や毛蟹、まるごとのメイクイーンをバタースープで絡めていただく料理は大胆で斬新。また、つややかに炊きあげた白米と共に出されるすまし汁は、とても上品で繊細な味わいだ。こんもりと盛られた自家製の漬け物に箸を運ぶうちに、ご飯やお茶が思わず進む。デザートやコーヒーを飲みながら、心地良い満足感をゆっくり堪能できる。
コース料理は、昼・5,250円〜、夜・8,400円〜。安いとは言えないが、蟹のボリューム感と味、そして、このくつろぎの時間を考えると充分納得がいく。身近な立地にあるので、特別なおもてなしや家族の記念日などに訪れたい。
館内は、中庭を中心に個室が3部屋、結納などにちょうど良い広間が2間。畳の部屋はすべて堀りごたつ式で足に負担がかからないように配慮されている。通路は段差がなくゆったりとしており、車椅子の方でも安心。団体用には、テーブル席の広間が2間あり、仕切を取って大広間にもなる。眺めの良いテーブル席は、天井が高くゆったりとして開放感がある。花板とのやりとりを愉しめるカウンター席。そのほか、水屋付きの本格的な茶室、茶会席ができる離れもあり、多種多様な利用ができる。
最寄り駅は淵野辺駅だが、5名以上の予約なら橋本駅や相模原駅からも送迎バスが利用できる。帰路や飲酒運転の心配をせずに、くつろげるのが嬉しい。駐車スペースも60台分用意されており、団体利用にも充分対応できる広さがある。
「さ蔵」は、肩の張らないおもてなしを心がけている。高級店にありがちな過度の接客は、かえって客の方が疲れる。それでは、せっかくの料理が台無しになる。池や滝のある庭をゆったりと眺め、極上の旬の料理や逸品の器を愉しむ。そんな日常から少し離れた和空間に身を委ねてみる…。たまには、そんな時間を過ごすのも良い。
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