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津久井町の青山交差点 (国道412号線)の信号を曲がり、道志みち (国道413号線) を10分程走ると、左手に『蕎麦小屋つねっさ』という看板があり、ここを入るとロッジ風の建物が見えてくる。店内もやはり、蕎麦屋らしからぬ様相だがどことなく懐かしい。大きな窓から望む裏庭の景色に誘われて、無垢板のカウンター席に座る人が多いそうだ。
つい「珈琲を…」と注文をしてしまいそうだが、ここは、蕎麦の実の甘皮ごと粗く石臼で挽いた『粗挽きのひきぐるみ』という粉を用いた蕎麦を出す正統派の蕎麦屋。開店は2年前だが、20年も前から趣味で蕎麦を打っていたという店主が生家にあった家畜小屋の原型を活かし改装。蕎麦小屋を造った。
「梁や柱の使えるものは残し、職人さんに手伝ってもらいながら自分たちでコツコツ改装をしました。築百年以上の建物ですが、まだまだ充分使用できます。せっかくの空間ですから、ゆったりと蕎麦を食べていただけるような造りにしました」と店主の尾崎恒久さん。
『つねっさ』の一番人気は、「かき揚げおろし蕎麦 (850円)」。挽きぐるみならではの粗いそば粒が浮かび上がる浅黒い麺に、衣に花が咲くサクサクのかき揚げ、大根おろし、荒削り節がのっている。これに好みの量のつゆをかけていただく。挽きぐるみ蕎麦そのものを味わいたい方には、「せいろ (650円)」、「十割せいろ (土・日数量限定、750円)」がおすすめ。甘み、粘りのある蕎麦に、スッキリとしたつゆが良く合う。特に、十割蕎麦は、さらに粗挽きなので歯ごたえも楽しめる。この先の新蕎麦の時期には、香りも存分に楽しめそうだ。
ほかに旬の食材を使った季節限定の蕎麦などもある。また、自家製寒天を使用したさっぱりとした甘みの「豆かん (350円)」も好評。蕎麦、甘味共に量が多めでリーズナブルな値段がうれしい。
「自分の好みの蕎麦を食べてもらいたい」と蕎麦屋をはじめた尾崎さん。告知は2年前に看板に開店日を入れただけだが、少しずつ常連さんが増えてきたそうだ。17時からは、夕食だけでなく蕎麦屋で一献、という趣向や7〜16名までの座敷利用の会食(7日前迄に要予約、混雑時を除く)に利用できる。蕎麦を含めたヘルシーなコース料理などがあり、予算の相談にも応じている。
静かに流れるジャズ。大きな梁や古い柱。夕刻になると、山々の風景を模した木の腰壁に薄紅色の壁が電球の明かりで焼け色に染まり、その輪郭が浮かぶ。豊かな自然と丹沢水系の水に恵まれた青野原。その恩恵を存分に受けた蕎麦を味わいに、ワンデートリップをしてみては…。
[左]天せいろ蕎麦。1200円 [右]自家製寒天の豆かん 350円
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