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この街・あの人・どんな顔       2004/08/05掲載

山田 京子
やまだ きょうこ 1949年生まれ 。
現在、ご主人と相模原市田名に住む。
相模原市の保育士として30年間、保育に携わる。

そこにあるだけで美しかったステンドグラスは、光のあたり方でまた違った輝きを放つ。それが魅力です。


▲パネル作品。ドアなどに組み込まれるためのもの。本来のガラスの色と透かしてうつる色が混ざり合って思いがけない色に変化することがある。また、時間や陽のあたり方によっても輝きが変わる。それが、ステンドグラスの楽しみ方でもある。

 

 習い事で足を踏み入れたステンドグラスの世界。保育士の仕事と家庭を両立させてきた山田さんは、いきいきとした働くお母さんだ。現在、この秋に開く、はじめての個展へ向けて作品を制作中。


 1949年生まれ、まさに団塊の世代である山田京子さんは、勤続30年のベテラン保育士の顔を持つ。生後間もなく父親が他界。「片親だからと後ろ指を指されないように」と厳しく育てられ、「少し頑な性格」になった。高校卒業後、就職をするが、会社の不況による人員削減により退社を余儀なくされた。これを機に、手に職をつけるため貯金をはたいて短大へ入り、保育士の資格をとった。相模原市職員の試験に合格し、自らも共働きをしながら、市内の保育園で多くの子どもたちの育児に携わってきた。

人って変わる
 暖かく人を包み込む笑顔は、『自然体』という言葉が似合う。意外にも、保育士になる前は、どちらかというと、他人と接するのが苦手な方だった。「たくさんの子どもたちに接しているうちに、少しずつ自分の殻を破ることができたし、家事と仕事の両立をするのに完璧なんて無理。それで、手を抜くことも覚えた。おかげで気持ちがとても楽になったの。今では、あまりにも、手を抜きすぎかな(笑)」。
 保育園で子どもたちが過ごす時間は長く、園そのものが「生活の場」になっている。その分、保育士の仕事も多い。早番の日でも事務処理に追われ、帰宅がついつい遅くなる。それでも、子どもたちの笑顔に支えられて30年間頑張ってきた。そんな山田さんに憧れて保育士になった元教え子たちもいる。「働き続けてよかった」とつくづく思える出来事だ。
 山田さんにも26歳と23歳の、今は自立した2人の娘がいる。その娘たちが小学生の頃は、お手伝いさんを雇っていた。「本当はね『お帰りなさい』。を言ってあげる母になりたかったの。お給料のほとんどがそれで消えてしまったけど、暗い家に帰らせるのは忍びなくて」。反抗期を迎えた長女と本気でバトルをしたこともあった。仕事と家事の両立はたやすいものではなかったが、園児にも我が子にも、惜しみなく愛情を注ぎ続けてきた。

自分の色を
 ステンドグラスに出会ったのは、今から7年程前だった。勤め帰りにふと立ち寄ったステンドグラス専門店の店先。様々な色合いの一枚ガラスやランプに目を奪われた。好奇心旺盛な同僚の「やろうよ」の一言につられて教室に通い始めたが、元来、生真面目な性格の山田さんは「作らなくちゃいけない」という気持ちが先行していた。転機はその2年後。鎌倉で見かけたステンドグラス教室の作品に、自分の思い込みを覆された。「几帳面に制作するよりも、作品に自分が出せれば、いいんじゃないの?」という主宰の先生の言葉に驚き、鎌倉の教室にも仕事の合間をぬって通うようになった。ほどなく『みんなで飾って遊ぼう』という企画展で自分の作品も会場に並んだ。嬉しかったがステンドグラスの奥は深い。もっと本格的にやってみたくなった。
 ステンドグラスに使う一枚もののガラスは、ドイツやイギリスからの輸入品ですべて手作り。見愡れるほど美しい。 「好きなガラスの色は?」の問に、即座に「赤」と応える。見る角度や光のあたり方でピンク系やグリーン系に見えたり真紅に見えたりするという。「ガラスが、こんなにもいろいろな色を見せてくれるなんて思わなかった」と、目を輝かせる。作品の制作は、もちろん仕事と家事を終えたあと。「自分は、こんなにひとり作業が好きだったんだって思う。形になっていく工程が好き」。
 あるティールームに置いてもらっていた山田さんの作品が『スペース游』のオーナーの目にとまり、この10月にはじめての個展を開く。「今は作っていてとても楽しい。将来、工房兼用の小さな店を開きたい。女性ひとりでもふらっと泊まれるようなスペースもほしい」。セカンドステージへ向かう山田さんの瞳も、輝きを放っている。

 

山田京子ステンドグラス作品展     

〔日時〕10/20〜31まで
〔場所〕ギャラリー「スペース游」 千代田2-2-15
〔問合せ〕同所/042-751-5011  http://www.sagami.ne.jp/~maple/

 

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