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「カメ先生の教育図鑑」でおなじみ
カメ先生こと 千葉 晋一
ちば しんいち1959. 8. 3生 東京都出身 町田市在住
HP http://www.hapi-kame.com/
※ホームページはただいま制作中
連絡先などは、ホームページに掲載する予定
| 「たとえば料理。食材の流通、原価、味の表現などから、社会・算数・国語といろんなことが学べる。家庭科だけじゃないんです」
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「このカメはね、ビルマホシガメ。名前はギョロちゃん。目つきがギョロっとしてるから」
大事そうにカメを抱えながら話すのは、千葉晋一さん。自宅で20種、約30匹のカメを飼育している。『カメ先生』と呼んだ方がほうむたうん読者の皆様には馴染み深いかもしれない。
◆ カメ先生、初登場
教育コラム『カメ先生の教育図鑑』は2006年1月に連載がスタート、1年間の予定だったが好評を得、2008年に再び連載開始、現在に至っている。
執筆しているのは『カメ先生』こと千葉晋一さん。小学校教諭という肩書きは、今はない。この3月末をもって退職をした。
◆ 学校が楽しいことが大事
子どもの頃から生き物が好きだったという千葉さん。教職に就いて最初の3年間は理科専科だった。
「普通、新任教師には教育係の先生がつくんですが、専科だったからつかなくて…好きなようにやれちゃった」
初めての授業では、プロジェクターを使って『恐竜クイズ』をやり、恐竜の特徴を全身を使って表現した。植物の生長を学ぶ時は、林の中で植物をテーマにSFビデオを撮った。担任を持ってからもバラエティ豊かな授業を試みた。
「まず学校が楽しくなること、授業に興味を持つことが大事。成績が上がれば家の人も喜んでくれますしね」
次に赴任した調布市の小学校では学校内に水族館を作った。
「最初は小さな水槽を3つ。その後、たまたま市のイベントで川の魚の展示があって、終了後のもらい手を探していたもんだから…」
大きな水槽を20個。設備を整え、専門家の指導を受けた。子どもたちには川の魚が身近なものとなった。
10年勤務した後、府中市の小学校に転任。ここでは水族館に加え、さらに投網クラブを立ち上げた。
「プロの投網職人に弟子入りしまして(笑)」
部員は10名。普段は校庭で網を打ち、上手くなったら川で実際に魚を獲った。
「師匠の指導のもと、獲れた魚をその場でおいしく頂いたり、持ち帰って水族館で育てたり。他の先生には、少しひかれてたかも…(笑)」
また、学校の記念事業でビオトープ作りを提案、PTAと地域の人の協力も得て、ワサビ田、魚道などさまざまな自然を再現した空間を作った。
ひとつのことから学べるのはひとつではない、と千葉さんは考える。どんなことにも、さまざまな要素がからんでいる。体験と実感の伴う『学び』は、子どもたちの心に豊かな奥行きを作る。そうして子どもたちの目線で、時に一緒に悩み、経験を重ねていった。学校という場を、一番楽しんでいたのは千葉さんかもしれない。
◆ 病気が僕を幸せにした
日野市の小学校に転任して2年目。千葉さんは持病が悪化し、休職を余儀なくされた。
体に異変を感じたのは16年前。結婚して4年目、息子が生まれ、公私ともに充実していた時期だった。
「学校の山登りでやたらと息切れをして…何かおかしいな、と…」
その年の健康診断では肺が真っ白に映った。なかなか診断がつかず、いくつめかの病院でキャッスルマン病と診断された。
「当時まだ珍しくて、私が国内25例目だと言われました」
キャッスルマン病とは、リンパ増殖性疾患で、未だ治療法が確立していない。貧血をはじめ、腎臓、肝臓などに障害をもたらすこともある。
千葉さんも貧血に悩まされ、治療をしながら勤務を続けてきた。片目がよく見えない状態になっても通常通りの授業を続けてきたが、ついに両目が見えづらくなった。やむなく休職し入退院を繰り返すこととなる。
失明するかもしれない。そんな不安を乗り越えようと、病院のベッドの上で色紙に思いを書き綴り、マグネットでロッカーに貼り付けた。
退院後、書きためた言葉を小冊子にまとめた。まだまだやれることがたくさんある。タイトルは『生きることを生きる』とした。
「息を吸い 息を吐き 五感に世界を感じ 心にぬくもりを感じれば これ以上の喜びはない 生きることを生きれば それで いいじゃないか」
表紙にはそう書いた。
その後、千葉さんは復職する。新任教師と組み、授業を行った。また、知人のデザイナーに依頼し、オリジナルでゲーム形式の教材をどんどん作った。休日には小説を書くこともした。
「前からやりたかったことを、見えなくなってからの方がやれている。なんだ、自分だけでがんばり過ぎなくてもいいんだって思ったんです」
昨年から人工透析が始まり、退職をした。次の夢に向かう時間ができた、そう考えるようにしている。
肩書きのない春は、新しい1ページの始まりなのだ。
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