|
アナログ機械を、大切に修理をほどこしながら愛おしむ。ゆったりとした時間の流れるおとなのためのおもちゃ箱
JBLスピーカー、真空管アンプ、蓄音機、古時計、磨かれたマテリアル(部材)などが並ぶ「工房 あなろぐ」。
「みなさん、はじめは、骨董屋かと思って店に入ってこられるようなんです。工具や部品、オーディオなどがあって『いったい何の店だろう』というお顔をされます」と苦笑するオーナーの秋本さん。東急ハンズ渋谷店設立当時から第一線でハンズのブランドを確立してきた秋本さんが、退職後、コツコツと自宅を改装して長年の夢だった工房を今年の6月にオープンした。
「40年程かけて収集したオーディオを中心とした機械類の販売や修理、修復を請け負っています。もともと技術系の家庭に育ちましたし、学校でも機械工学を学び、コンピューター企業やハンズで様々な技術を習得しましたから…。修復は、欠けた部品や木片なども探し、できるだけ当時の姿に近づけるようにしています」
秋本さんは根っからの『技術屋』。在職中も、時間さえがあれば、食事の時間を惜しんで機械の修理や工作没頭し、腕を磨いてきた。
「何か壊れてしまった時、自力で修理しようと思っても、部品が無かったり、どう修理してよいかわからない部分があったりしますよね。そんな時にワンポイントのアドバイスでお役に立てると思うんですよ。ネジ、ドリルなど基礎のパーツ、工具類、技術資料や書籍など揃っていますから」
また、工房には、マニアなら一度は訪ねてみたいオーディオ部屋がある。手作りの真空管アンプなど選りすぐりの音響機器から流れる音色は、歌い手の息づかいまでも忠実に再現する。最近では、アナログでなければ聴くことができない深い音や響きが再認識され新たなファンも増えた。スピーカーやアンプを自由に組み合わせで試聴したり、自作用の音響機器の部材や制作のノウハウをオーナーに気軽に訊ねることができる。
まるで、大人のおもちゃ箱のようなこの工房では、今日もゆったりとした時間が刻まれてゆく…。


|