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近年注目されている「クラシックカメラ」。時代の最先端技術と機能美、重量感…。「ムサシ」は、その魅力を知り尽くした確かな目で中古カメラを集めた、愛好家御用達のプロショップだ。
ライカ、ニコン、ローライフレックスなど往年の名品に代表されるクラシッククメラ。遠方からもその愛好家が足繁く通う「カメラ プロショップ ムサシ」は、相模原駅近くの西門大通りに店を構えている。
店内には、目利きの社長(宮本氏)が全国から仕入れ、メンテナンスを施した中古品のカメラが所狭しと並ぶ。その多くは、『銀塩』と呼ばれるフィルム使用のカメラで、オートフォーカスカメラ以前のもの。さらに、1960年以前のものを「クラシックカメラ」と呼び、近年の中古カメラブームの中心となっている。
「名品と呼ばれるカメラが生まれた背景には、2つの大きな要因があります。先ず、外貨レートの大格差。当時、ドイツや日本のメーカーが、威信にかけて最高の英知を結集して作ったカメラを輸出先のアメリカ人やイギリス人は、ポケットマネーで手に入れることができたんです。ですから、今では考えられないほどの贅沢な素材を用いて精密かつ重厚で飽きの来ない、デザイン性の高いものが作られました。2つめは、公害物質規制がなかったからこそ作ることができた『金属部分のドスの効いた銀色』や『レンズの透明感』。これは、もう現在の技術を持っても再現できないんです」と話す、スタッフの井上さん。中学生の頃から中古カメラに魅せられ、この世界で生きることに…。今では「ムサシ」を訪れるマニアにとってカリスマ的存在でもある。
クラシックカメラは、1台ずつが精巧に手作りされたので、ほぼ修理が可能なのだ。店内には約150年前に作られた大判カメラもあるが、現役で撮影できるというから驚きだ。精密機械の中で群を抜いて寿命が長いことも、この時代のカメラの特徴だ。
最近、大判カメラのファンも増えている。被写体を大きく撮影できるので、鮮明度、鮮鋭度、粒状性、快調などの画質は、中、小型カメラとは比較にならない程すぐれており、大伸ばしのポスター用などには現在でも活躍している。そういえば昔、写真館といえばこのカメラが定番で、大きなカメラ、眩しいフラッシュが記念撮影の思い出だった…。
「クラシックカメラの魅力は、その時代の最先端の技術が凝縮され、それぞれ独特な機能美を持っているということ、そして、金属とガラスのずっしりとした重量感ですね。撮影するためには、ある程度、技術や知識を要します。デジタルカメラのようにシャッターを押せば簡単に写るものではありませんから…。でも、苦労しながら使いこなし、イメージ通りの写真が撮れた時の醍醐味は何物にも代え難いものです。銀塩フィルムで撮影したものは、デジタルより陰影が深く趣のある写真となります」。
井上さんによると、愛好家の中には、この最終工程の現像までを行う人も多く、「ムサシ」では、引き延ばし機などの現像用のアイテムも幅広く取り揃えているという。
綺麗に写すことが目的ではない。カメラ独自のフォルムを愉しみ、ファインダー越しの被写体に見入る。そして、フィルムにどんな風に写り込むかを楽しむ。クラシックカメラの魅力がそこにあるようだ。
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